私、日商簿記1級合格してまして、多少知識を持っているのですが、それでも今まで税務調査たるものは未知の世界でとにかくおびえておりました。
いえ、悪いことをしている気持ちはないのです。
でも税務署は怖いとのイメージはぬぐえません。
仕事を初めて15年。今まで税務調査がなかったのが不思議ですが、とうとうやってきました。
始まりは文書でのお尋ね。
何のことかと税理士に連絡をするもつながらない。
しばらくして税理士から連絡が来て、「やります」っていうので対応をお願いする。
またしばらくして、税務署から連絡。「どうなってますか?」と。
「あれ?やってませんか?」
おかしい。
私は、すぐに税理士に電話するも一向につながらない電話。
今までなかったことだ。
色々と税務署から聞かれるけど、どういう申告でどうして問題になっているかを把握しなくては先に進めない。
税務署「資料を提出してくれ」、税理士「やります」というものの、やらないの繰り返し。
これが3か月くらい続き、私のわかる範囲で私が対応せざるを得ない状況に。
どうやらこの税理士、今まで信頼をおいてお願いしていた先生なのだけど、体調を崩したらしい。
そしてありえないミスをしてしまったらしい。もうダメだ。
これと同時期に税理士との契約を解除。今までの顧問料を返してほしい・・・
そして新たな先生を探しまわる日々。
しばらくしたある日、「税務調査に行きます。」
税務署に指定された日があったが、半月ほどずらしてもらった。
税務調査の日までに行ったこと
1.相手を知る
誰が来るか。どこの部署からくるか。来る税務署員の経歴。
これは税理士に聞けば調べてくれると思います。我が家に来る税理士はベテラン中のベテランでした。税といっても、法人税、所得税、消費税、事業税など色々です。どこを攻めてくるのか対策が練れるかもしれません。
2.税務調査の本を読む
私は税務調査の本を片っ端から読みました。教科書に載っているようなお手本的なことしか書いていない本から、要は税理士によって修正額が変わるということを書いている本まで色々です。
3.申告内容を把握する
自分の申告内容はしっかり把握をしましょう。簿記の知識があるなしに関わらず、ある程度の知識をつけておくことで自分で説明ができれば優位に働くこともあるからです。
税理士が全て細かく把握できているわけではありません。税の詳しい駆け引きは税理士に、その他業務のことは自分で説明ができれば、怪しまれることなく、見てほしくないところをスルーしてもらうことができるかもしれません。
見てほしくないところというのは、アウトな部分という意味ではなく、税務署員によっても見解が分かれるようなグレーゾーンという意味です。
税務署員は短い時間で調査をして成果をあげなくてはいけません。
なので疑いのあるところを徹底的に見た方が効率がいいのです。自分でしっかりやってますよアピールをすることで、ここは見なくていいかなと思ってくれる確率が上がるのです。
4.資料を全て準備する
とにかく怪しまれないようにすることが大切です。あれがない、これがないということの無いように、思い当たる資料は全て準備しておきましょう。
あえて無造作に置きました。とにかく書類が沢山ありますよ、しっかりやってますよアピールです。
税務調査当日
新しい税理士同席のもと、税務調査スタートです。税務署員は一人です。
一人だと少ないと思っていたのですが、今は一人でやる場合も多いそうです。
よく当日午前中は会社概要の話とありますが、私の場合1時間もなかったと思います。
今回の税務調査は既に調査対象を定めている感じでしたので、早く調査したい感がビシビシ伝わってきました。
ひたすら帳簿を見て気になるところに付箋を貼っていく、の繰り返し。
その横で、ドキドキしながら待つ私。
税務署員は一人だからでしょうか。領収書まで探す時間がないからか、この仕訳の元になる資料を出してと言われて、私も一生懸命探します。
売上も一通りチェックをして、一か月分は抜けがないかしっかり照らし合わせていました。
3時過ぎくらいに、指摘をいただき、終わりです。
ここからが勝負です
さて、指摘されたことが全て修正しなければいけないかというとそういうことではないのです。
ここから「交渉」に入ります。私も税理士に思いを伝えて、着地点を決めて、やり取りをしてもらいました。
最終的には、こちらの心情もご理解いただき、修正申告を行いました。
この「交渉」をするかしないかで、100万円単位で税額が変わってくることと思います。
過少申告加算税(10%~)も加わってきます。
もう地獄です。
税務調査で慌てないためにやるべきこと
1.売上はごまかさない
私もこれだけは絶対にしっかりやろうと心に決めています。
昔の税理士も今の税理士も、売上をごまかしてはいけないと知りながらもごまかす人は多いと言っていました。そして税務調査と聞いて、追い詰められて自殺する人もいるそうです。
自殺するくらいならごまかさなければいいのにと思うところですが、それでもごまかしたくなってしまうんだとか。
今回の私のところの調査でも、元々重点を置いている内容は売上ではなかったのですが、それでも一か月分はしっかりと見てました。この数字になる理由はどうしてかということも確認されます。
単に銀行口座の記録だけでなく、どうしてこの数字なのかが分かる資料がいくつかあると信用率があがると感じました。
2.自分側についてくれる&税務調査に慣れている税理士を探す
前回までお願いしていた税理士は、税務署に近しい先生でした。最近の税務調査は品がいいとか、昔みたいに圧力をかけてくる調査官はいないとか。
地方税務署には定年間近の調査官か若手がどちらかだとも言っていました。
働き盛りの実績をあげたい調査官は国税局に行ってしまうので、地方税務署はそんなに厳しい調査はないと言っていました。
どこまで本当か分かりませんが、税務署と近しい先生は交渉も有利と言われています。
が、今回お願いしている先生は特別税務署とのつながりはなさそうですが、しっかりと意見をしてくれる先生でした。
今回の先生にお願いするにあたり数人の税理士と面談をさせていただきましたが、決め手は形式的ではなく都度相談にのってくれそうな親近感でした。
私には関係ないと思って無申告だったりいい加減な申告をしている方も中にはいるようですが、後で後悔しないために、参考になれば幸いです。
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